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国の紋章 vol.1

カナダの国章

カナダの国章

カナダの国章は1921年に英国王の勅許によって制定された。
この紋章は大変な苦心と配慮によって案出されたものである。
というのは、英国系住民とフランス系住民の確執が国章のデザイン如何によって、内戦までに発展しかねかったからである。
特に東部のケベック州ではフランス人が80%とあって、つい最近までケベック独立の執拗な運動が繰り広げられていた。
そのため、国章はフランス系住民への充分な配慮を示し、ユニオンジャック旗に対して、フランス王旗を置き、また盾部分にも「フランス」が加えられている。これはフランス系住民もカナダの重要構成民族であることの表現になっている。
そのほか、下部のコンパートメント(台座)に見える花も「イングランドのばら」「スコットランドのあざみ」に加えて「フランスのゆり」というなかなかに細かい配慮がうかがえる紋章である。

参考文献:森 護著「紋章の切手」 大修館書店
ここに掲載されているエンブレムは“MARKETEQ COLLECTION”蔵のものです。

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